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安藤 進
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特許翻訳「虎の穴」

特許翻訳家 児島和男(有限会社創和エイジェンシー・ISS講師)のブログ。知財翻訳・弁理士業務・翻訳者養成に関する問題提起と意見交換のために
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発明特許、米が「先願主義」に転換
発明特許、米が「先願主義」に転換…下院知財小委が可決

【ニューヨーク=山本正実】米下院司法委員会の知的財産小委員会は16日、先に発明した企業や個人に特許の権利を認める「先発明主義」を改め、早く出願した者に特許を与える「先願主義」に転換する特許改革法案を可決した。
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 トーマス・エジソンやヘンリー・フォードなどの発明家を生んだアメリカでは「先に発明した人」を尊重する風潮が強く、19世紀に採用した先発明主義を現在も続けている唯一の先進国だ。しかし、今回の法案が成立すれば、先願主義を採る日本や欧州とようやく基準が同じになり、発明者の企業や個人の利便性が高まると期待される。

 先発明主義では、先に発明したと証明すれば、特許出願が遅くても権利が認められる。米国では、先に出願した人と、後から「先に発明した」と主張する人の間で「どちらが先に発明したか」を争う訴訟も多く、日本企業を含め、こうしたトラブルに備えるメーカーなどの負担は大きかった。

 従来は、特許の内容を公開する義務がなかったため、他企業が特許出願済みの技術を知らずに独自開発した企業が、特許料の支払いを求められる「サブマリン(潜水艦)特許」が発生する恐れもあった。しかし、今回の法案は、全公開を義務づけているため、こうした事態は減りそうだ。在米外国企業で特許出願件数が最も多い日本企業が受けるメリットは大きい。

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| 米国出願用明細書の作成について | 17:05 | comments(0) | - |
claimの記述スタイルについて
(前の2つの記事の不正確な点を修正し、さらに、別の論文の内容を加味し、現時点で最善と思われるclaimの記述スタイルについての私見をまとめました。 このブログは私の講座の受講生と、当サイトのデータをダウンロードした多数の方々に見られているようです。したがって、講座での講義を補う意味もありますが、同時に同業者と意見を交換する機会を拡大する意図もありますので、お気づきの点は遠慮なくご意見をお寄せください)

1)method claim のスタイルについて
(”Patent Applications Handbook” by Stephen A. Becker, 2004 Editionから)

 Method claimの基本的な形式は以下の通り。

A method of performing a function, comprising the steps of:
doing step a;
doing step b; and
doing step c.

上の例でdoing step aなどはstepという用語の使用を意味しているのではなく、例えばrecording an imageなどの具体的な動作について述べていることは言わずもがな。stepsの前にtheが用いられている点も注意。請求項では未定義の用語についてはaが用いられるのが原則だが、こうしたtheの使い方もある。
 この形式はコンピュータを用いた方法だけでなく、手作業、あるいは機械的構成部品によって処理される工程が伴う発明に対しても一般的に用いられる。こうした形式でmethodに対するadjective phraseとしては”executed by a computer”, “for use with a computer”, “using a computer”などの表現を用いることが可能。
 以上の基本的なガイダンスに基づいて、以下の6つの事例が紹介されている。

Example 26
An electronic calendaring method for use in a data processing system having …, said method including the steps of:
(a) establishing a first data structure for use by ….,
(b) establishing a second data structure for use by said system ….;
(c) comparing said non-temporal search criteria …., and
(d) selecting entries for said composite calendar ….

 各ステップに符号が付けられ(改行されていることはもちろん)、段落がカンマで区切られている点も注意(こうした例は少ない)。

Example 27
A method for providing to a user a suggested treatment for a patient …., comprising the steps of:
creating at least one knowledge base containing ….;
eliciting information from said user concerning …;
applying said knowledge base to ….; and
using said computer to infer …..

 この形式では各ステップに対する符号は用いられておらず、段落はセミコロンで区切られていることに注意(翻訳業務ではこのスタイルを求められることが多い)。上の例で請求項内でsaidが用いられていることにも注意。最近はclaimでもsaidを用いないようにする傾向が強まっているようだが、まだ、用いられている例が多い。その場合も、saidの使用を重要な構成要素に対してだけに限定して、むやみやたらにsaidを用いない傾向がある。もちろん、明細書の本文ではsaidは用いられないようになっている。

Example 28
A method of operating a rubber-molding press for precision molded compounds with …., comprising:
providing said computer with ….,
initiating an internal timer in said computer upon the closure of the press for monitoring …,
constantly determining the temperature of ….,
repetitively performing in the computer …..,
repetitively comparing in the computer …., and
opening the press automatically when ….

 この例は基本的にはExample 27と同じであるが、the steps ofの表現が用いられていない点に注意。最近では請求項でstepという用語を用いないという要請も時々聞くが、日本語の明細書では・・・工程などの表現が頻繁に用いられるので、明細書の本文と請求項との記述の統一性にやや苦しむ場合がある。ただし、明細書では論理的整合性があればいいのであって、記述的整合性は二の次だし、請求項の方が重要なのだから、あまり記述上の統一性にこだわらなくてもいいかもしれない。
 コンピュータ・プログラムに基づいているが、人間の動作や機械の機能も関与する発明の請求項として、以下の実例が紹介されている。

Example 29
A method of scheduling meetings using attendee calendars in a computer system, said method comprising:
(a) presenting a scheduler with a prompting screen for keying …;
(b) comparing in said computer system said data range and …; and
(c) presenting an option screen to such scheduler, ….
 この例はExample 26と似ているが、段落の区切りがセミコロンであることが違っている。
さらに対話方式のプログラムを用いた(したがって、当然ユーザーの応答などが関係する)システムに関して、次の例が紹介されている。

Example 30
A method executing logic equations, comprising the steps, executed by a computer, of:
(a) creating execution equations from logic equations; and
(b) retrieving device inputs and executing the equation equations with the device inputs to produce device outputs and including the steps of:
(1) propagating …
(2) determining …

(9) assuming …., and
(10) propagating ….

 この例ではmethodそのものを構成するstepsはcomprisingで、サブステップはintroducingでそれぞれ導いている点に注意。このcomprisingという表現も最近はもっぱらclaimで用いられ、明細書本文ではincludingが代用されているという話を聞いているが、まだ米国特許庁のデータベースで実例をチェックしていない。
 
Example 31
A control method for a database system having …., said control method utilizing a programmable digital computer for performing the steps of:
forming a directory entry based on …;
storing identification information in ….; and
selectively searching stored identification information in response to ….

 以上のようにmethod claimの表現も発明の内容に従ってさまざまであり、決して画一的に考えてはならない。さらにmethod ofという表現とmethod ofという表現の両方が用いられており、その使い分けには一定の基準があると思うが、それは別項で。翻訳者は基本的にはクライアントの指示に従って翻訳を進めるべきであるが、クライアントが狭い経験だけに基づいて断定的なことを言ったりする場合には、以上のような用例を示してディスカッションしてみる必要もある。

2)apparatus claim のスタイルについて
(”Patent Applications Handbook” by Stephen A. Becker, 2004 Editionから)

「 apparatus claims はcomponent format、means-plus-function format、あるいはその両方の組み合わせで記述できる」として、以下の実例を挙げている。

Example 32
An expert system for providing to a user a suggested treatment for …., comprising:
at least one knowledge base containing ….;
a computer for receiving said knowledge base and information from ….; and
a processor within said computer to infer …

 この例では、構成要素がソフトとハードが並列的に取り扱われていることに注意。

Example 33
An expert system for providing a user one or more suggested treatments for …, comprising:
a computer device …;
a plurality of data bases in the memory including ….;
an application program, for execution in the computing device, for ….; and
an inference engine, for execution in the computing device, for….

 この例では、各構成要素の機能がfor + ing形で表現されている。

Example 34
A memory for storing data for access by an application program being executed on a data processing system, comprising:
a data structure stored in said memory, said data structure including information resident in a data base used by said application program and including:
a plurality of attribute data objects stored ….;
a single holder attribute data object for ….;
a referent attribute data object for….; and
an apex data object stored in ….

 この例で列挙されているのはdata structureの構成要素であって、systemそのものの構成要素はcomprisingで、data structureの方はincludingで、それぞれ構成内容を記述している点に注意。

 さらに、コンピュータ・プログラムに関連した発明についてはフロッピー・ディスクなどの有形(tangible)媒体に具現化(embodied)されたものとして、以下のような記述が可能としている。

A) A computer-readable medium of instructions, comprising:
means for performing function X;
means for performing function Y; and
means for performing Z.
B) An article of manufacture for use in a computer system, comprising:
a computer usable medium having computer readable program code means for…, and
a computer usable program code means for….
C) A computer program product for use with a graphics display device, said computer program product comprising:
a computer usable medium having computer readable program code means for …
 また、データ記憶保存エリアと通信媒体の両方を含む発明については、以下のような記述が可能とされている。

D) A computer-readable medium carrying one or more sequences of instructions for XXX, wherein execution of the one or more sequences of instructions by one or more processors causes the one or more processors to perform the steps of:

E) A computer-readable medium carrying one or more sequences of instructions for…., wherein….
F) A computer software product that includes a medium readable by a processor, the medium having stored therein:
a first sequence of instructions which…
a second sequence of instructions which…

 さらに、通信電波(搬送波)によって伝播する信号によって実現されるコンピュータ・プログラムについて、以下のような記述も可能とされている。

G) A computer data signal embodied in a carrier wave comprising:
a first source code segment comprising…., and
a second source code segment comprising….

 コンピュータ・プログラム関連の発明に関してはBeauregard判例という判断基準があって、

Example 36
A computer program product having a computer readable medium having computer program logic recorded thereon for establishing …, said computer program comprising:
means for incorporating the protocols of ….;
means for determining ….; and
means for feeding back to the user …

などの記述スタイルはよしとされているが、

Example 37
A computer program comprising:
first instruction means for causing…; and
second instruction means for …

のようなスタイルは不可とされている。(このあたりのことは本来翻訳者の守備範囲ではないが・・・)。しかし、筆者の経験では、meansという言葉の使用について「使うな」、「請求項では使ってもいい」などの指示があるが、Becker氏の記述を吟味すると、Beauregard判例の意味するところは、それほど単純なことでもないらしい。means for + ing形式のclaimを可能とする文献も筆者の手元にあり、このことについてはさらに検討する必要がある。
 最近の出願例に多く見られるコンピュータ・プログラムを利用した装置や方法、システムなどの発明は具体的な構成要素を列挙する形式よりmeans-plus-function形式で書かれるのが一般的で、その理由についてBecker氏は”what is important to a program-implemented system is the functions carried out, rather than structure of implementing it”を述べており、これは十分に理解できる。そして、こうした理由から、コンピュータ・プログラムを利用した発明については、以下のような2つの基本的なスタイルが推奨されている。
A) Apparatus for performing a function, comprising:
means for performing function a;
means for performing function b; and
means for performing function c.

B) Apparatus for performing a function, comprising:
means for measuring a physical parameter; and
means responsive to a value of said physical parameter for performing functions (a), (b), and (c)

 このうちB)はより正確な表現だが、例外的なケースだとされている。そして、以上のようなガイドラインに基づいて、以下のような例が紹介されている。

Example 37
A text comprehension retrieval apparatus for identifying text words …., comprising:
means for calculating a first letter-semantic value for …;
means for calculating a plurality of second letter-semantic value for….; and
means for identifying the test words of the ….

Example 38
An image viewing system, comprising:
first memory means for storing raw image data ….;
image processing means coupled to said memory means for ….;
second memory means for storing…;
display means for…;
user input means for…; and
control processing means for ….

 以上に紹介したapparatus claimにはthat clauseを用いた記述がほとんど含まれていない点についても注意。いずれにせよ、翻訳者はクライアントの指示に基づいて記述スタイルを選ぶべきであるが、Becker氏の著書では、上のような実例が紹介されていることに留意しておいた方がいいと思われる。

3)means plus function claimについての追加コメント

 日本語の明細書をどのように作成するかは弁理士の判断であって、翻訳家はそれに関知しないが、日本語の明細書で「・・・手段」という表現は依然として用いられているのにもかかわらず、「手段はunitとかsectionという言葉を用いて訳してください」と言われたり、そのうちに事態がかわって「claimではmeansという言葉を使用してもいいですよ」などと言われると、翻訳家が特許事務所の指示に振り回されるだけの存在の思えてくるので、この点についてもうすこしこだわると、あるWeb siteで発表されている”The strategic use of means-plus-function claims”という論文がいろいろな示唆を与えてくれる。
 この論文に以下のような記述が含まれている。
“However, this paper is not intended to deal with every aspect of claiming strategy. Rather, we focus on the use of means-plus-function claims (i.e., “Means claims”) as cone component of a claiming strategy. We have taken this focus because there have been considerable recent case law interpreting Means claims that, while clarifying some points, has actually created significant confusion among some practitioners as to how Means claims may be effectively used as a component of a claim drafting strategy. This confusion is perhaps accentuated by some commentators who implore practitioners to “use extreme caution” when drafting claims, which in some cases, has discourages practitioners from using Means claims altogether. We strongly disagree with the philosophy that use of Means claims should be discouraged and maintain that the use of Means claims is an important aspect of a truly sophisticated and forward-looking claiming strategy.”
“In the wake of In re Donaldson and related cases, we believe that many patent practitioners have been left with the impression that Means claims are “too narrow” to have any commercial significance.”

 つまりMeans claimの使用については米国の弁理士の間にも見解の相違があって、この論文の筆者のように、むしろ、claiming strategyの有力な要素と主張する見解もあるのだ。
さらに、上に紹介したBecker氏の記述も勘案すると、特に、コンピュータ(プログラム)に基づくシステムの構成要素についてはmeans-plus-functionのスタイルは基本的には許される表現なのであって、一律にmeansという表現を忌避するのは、かえって適切でない場合もあるようだ。(しかし、翻訳者はクライアントの指示に従うべきであって、特別、自分の見解をかたくなに主張するほどのこともなさそうだが、折に触れて、こうしたことについて話し合ってみることは必要であろう。私の場合はこうしたことについてかなり率直に話し合える環境にあり、上の論文もある事務所の翻訳統括者からの提供を受けた。このブログで開示している私見にも彼とのディスカッションの結果が反映している。)

4) 基本的なスタイルは?

 上にいろいろな記述スタイルがあることを紹介したが、結局、基本的にはどのようなスタイルを用いたらよいのか、という疑問が聞こえてきそうなので、以下に、現時点での私見をまとめると:

Method claimでは
 Method claimではExample 27, Example 28のスタイル。この2つの例ではthe steps of
という表現を用いるかどうかが違っているだけで、これは翻訳を開始する前にクライアントに確認を取っておけばよい問題。日本語の明細書では「・・・・工程」という名詞化された表現がよく用いられるので、the steps ofという表現を用いると、claimの表現と明細書本文の表現の統一性を保ちやすい。claimでthe steps ofの表現を用いない場合でも、明細書本文で、表現スタイルの統一性を無視してstepという表現を用いてもよさそうだし、用いないでも表現は可能。例えば、「・・・工程を繰り返し実行して」というような表現の場合に、by repetitively performing the step of ….とするか、by repetitively…ingとするかは選択の問題。明細書本文での「工程」に関する細かな記述についての考察は別の記事で。

Apparatus claimでは
 コンピュータ・プログラムが関与しない発明ではcomponent format、つまり構成要素を列挙するスタイル。この場合、meansという用語は用いず、それぞれの構成要素について初出の場合は、不定冠詞をつける。
 コンピュータ・プログラムが関与する発明(日本語の明細書ではシステムと表現される発明のほとんどはこれに該当する)ではcomponent format とmeans-plus-function formatを組み合わせた表現。(ただし、meansという言葉の使用については翻訳開始前にクライアントの了解を得ておくこと。meansという用語を用いるなというのであればunitとかsectionという単語に置き換える。)

For + ing形のスタイルとthat clauseの使用の関係
 請求項ではmeans (unit, section) for + ingの表現を用いず、means (unit, section) that + verbの形式を用いる。(that clauseの使用に慣れていない事務所もまだ多数あり、いきなりこうした表現形式を用いるとクレームがつくかもしれないので、事前に了解を求めること。)
 that clauseの使用は、claimの対象となるapparatusの構成要素に限定し、明細書の本文でも構成要素に関する表現ではthat clauseを用いるが、その他のsub-componentなどの機能、動作などを記述する場合、やたらにthat clauseは用いず、分詞表現、あるいはwithを用いた表現にする。

 claimの記述では、このほかに冠詞の使用、単数か複数か、saidの使用など、まだ細かく検討しなければならないが、それは別の記事で。ここで検討したことは、度々言うように必ずしも翻訳家の守備範囲に属することではないが、翻訳家もまた、迅速・円滑な出願事務の遂行に関与しているのであり、上に述べたような知見をもって、明細書の翻訳にあたれば、それなりの効果を発揮するに違いない(クライアントの評価は別にして)。


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| 米国出願用明細書の作成について | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
Technical Fieldの記述スタイル
Technical Fieldの記述スタイル
(”Patent Applications Handbook” by Stephen A. Becker, 2004 Editionから)

 上記の本はBecker氏が米国の弁理士向けに書いている本で、記述のスタイルよりは記述の内容に重点を置いて議論が進められているので、翻訳を勉強しようとする人に必ずしも適切な教材ではないが、紹介されている事例に翻訳者として学習すべき素材がたくさん含まれているので、その内容を要約して紹介する。

 Technical Fieldの記述では、発明の主題についての一般的な記述(general introductory statement)と、それを具体的に絞り込んだ記述(more particular statement)が含まれる。発明が装置と方法に関するものであれば、Technical Fieldでも装置と方法に関する記述が含まれていなければならない、というのが一般原則。さらに言えば、発明の分野に関して米国特許商標庁が規定した発明の範疇(official classification)と準範疇(sub classification)
に対応した記述になっていなければならないが、このあたりは翻訳家の守備範囲ではない。
 記述の内容もあまり漠然としていて、科学的な観点からみて定義が正確でないようような言葉や表現が含まれるべきでない、などの注意も含まれている。

 Technical Fieldに関して、Becker氏は以下の例を適切なものとして紹介している。

Example 1 (Electrical)
The present invention relates to solid-state image sensors, and more particularly to a solid-state image sensor in which a driver a driver circuit portion for transfer gates and charge transfer devices and a photodetector are integrated on a signal common semiconductor substrate.

 この事例で、一般的な記述では複数形、具体的な記述では単数形になっている点に注意。

Example 2 (Electrical)
The resent invention relates to a loudspeaker and audio reproduction apparatus, and more particularly to indicators in such apparatus which are driven in accordance with the strength and/or frequency of reproduced sound.

 例1とは反対に、一般的記述では単数形、具体的な記述では複数形が用いられている。

Example 3 (Computer Program)
This invention relates to text processing, and more particularly to computer program-implemented methods for automatically prompting a test processing operator with the correct spelling of a misspelled word.

 この例では、最初からthis inventionの表現が用いられている。computer program-implemented methods for automaticallyという表現も注目。日本語明細書では「コンピュータ方式」とか「コンピュータ化された」などの表現が用いられているが、日本語の方はイメージ的であるのに対して、英語の表現は非常に具体的で正確。methodsと複数表現になっている点も注意。

Example 4 (Chemical)
The present invention relates to polyphenylene ether blend compositions, and more particularly to polyphenylene ether blend compositions including a phosphate stabilizer for improving the thermal processing stability of the blend compositions.

 compositionsは複数形でstabilizerの方は単数形になっている。

Example 5 (Chemical)
The present invention relates to color photographic materials and methods, and more particularly to such materials and methods employing halide emulsion having tabular grain structure.

 具体的記述でのsuchの使い方に注意。

Example 6 (Chemical)
This invention relates to methods for decomtaminating polychlorinated biphenyl-containing mediums, and more particularly to such methods wherein contaminated mediums are contacted with alkali hydroxide and heat to a temperature greater than about 700 degrees C.

 この例ではwhereinが使われていることに注意(通常、明細書のclaim以外ではwhereinはあまり用いられないとされている)。温度の表現も 700 0Cではなくdegrees C。

Example 7 (Biotech)
This invention relates to an isolated polypeptide encoding insulin, and methods of use of the polypeptide encoding human insulin for the treatment of diabetes.

 insulinは単数形で、methodsは複数形。methods of use ofの表現も使える。treatmentに定冠詞が使われている点も注意。なくてもいいのだろうが、こうした表現では用いられている場合が多い。

Example 8 (Biotech)
This invention relates to a monoclonal antibody specific for the gp120 antigen of the Human Immunodeficiency Virus, and its use for the diagnosis of HIV infection.

 its useという記述に注意。diagnosisにもtheが用いられている。

 以上の8つの例を見ると、relates toの目的語を単数表記にするか複数表記とするかは比較的自由で、複数表現がやや多いという感じ。The present inventionという書き出しの他にThis inventionという書き出しもある。



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| 米国出願用明細書の作成について | 04:38 | comments(0) | trackbacks(0) |